2009/10/26
7月に上映されると聞いてから待ちに待った映画沈まぬ太陽を公開3日目に観ることができた。



「白い巨塔」・「華麗なる一族」、そして連続ドラマとして現在放送されている「不毛地帯」で知られる山崎豊子の原作の『沈まぬ太陽』。
第一巻(アフリカ篇・上)/第二巻(アフリカ篇・下)/第三巻(御巣鷹山篇)/第四巻(会長室篇・上)/第五巻(会長室篇・下)の合計5巻から成る長編小説。小説を約2年前に読んだが、今回の公開の話を聞いてから、何とか映画を観る前にもう一度目を通しておきたいと思い、お盆明けから約2ヶ月で2度目の読破を遂行した。
2度目であっても十分過ぎるくらい楽しめた。


10分の休憩を含む202分間の超大作『沈まぬ太陽』。
途中で休憩を挟む映画を日本で初めて観た(インドで映画を観た時に経験はしていた)。
3時間22分ぶっ通しの映画と思っていただけに、途中で休憩が入るのは嬉しい。これなら長い映画でも苦することなく観ることができる。

映像化が不可能と言われてきた映画『沈まぬ太陽』。
舞台は国民航空(NAL)という架空の巨大航空社会航と言う設定になっているが、モデルとなったのは日本航空(JAL)というのは一目瞭然である。NAL123便というのは日航機123便であり、御巣鷹山への墜落もこの映画の大きなウェイトを占めている。登場人物も実在の人物を彷彿させるところが多々あり、渡辺謙演じる主人公は実在の日航社員である小倉寛太郎氏である。また、国民航空再建の為に利根川首相に三顧の礼をもって招聘された国見会長のモデルはカネボウの伊藤淳二氏であり、利根川首相とは中曽根元首相を指す。

そんな理由から今回の映画化にはJAL側から名誉毀損の恐れがあると、角川映画に警告文を送っていたとのこと。また、映画では必ず名前が入る放送局が入っていないのも、一企業を批判する内容が理由とのこと。


それにしても、いま日本航空が経営危機に陥り、「JAL再建」とか「JALに公的資金」とか「不採算の地方空港路線の廃止」というニュースをよく耳にする。民主党政権が主導してJAL再建を進めているみたいだが、それが物議を醸している。そんな時期にこの映画が公開されるのは、なんと言うタイミングだろう。

労働組合問題懲罰人事飛行機墜落贈収賄政治との癒着不正な閣議決定政府による会長更迭などなど日本の企業と社会の闇部分を多く描写している映画である。それが実在の一企業を題材にしているから真実味が増す。上映の最後に“フィクションである”というテロップが表示されるが、100%ではないにしてもノンフィクションだと感じてしまう。
金や出世のために人間ってここまで醜くなれるのか。

現代の流刑の徒として、カラチ(パキスタン)・テヘラン(イラン)・ナイロビ(ケニア)、海外僻地を盥回しにされる様子をそれぞれのロケ地にて映像化してある。特にアフリカのサバンナでの壮大な自然は、映画のスクリーンで観ると圧巻だった。

202分という上映時間があっという間に過ぎるほど引き込まれた。


正直、映画だけでは展開のスピードの速さについていけないと思う。
小説全5巻を一つの映画に凝縮しているものだから(個人的には前編と後編で2つの映画に分けてもよかったと思う)、登場人物や事件の多さ、目まぐるしく場面が変わるためについて行けない人も居るかもしれない。

映画の前に小説を読んでおくと倍楽しめるかもしれない、そう感じた。
または、映画の後に小説を読むと倍以上楽しめるかもしれない、そうも感じた。


本当にオススメです。

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| つれづれ | 2009/10/26 11:59 PM | comments (0) | trackback (3) |
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