自殺について比較
2005/06/02
こんな記事が目に留まった。
−04年自殺者まとめ 依然3万人超・経済苦原因7900人−日本の自殺率は世界ワースト10らしい。 世界トップクラスの経済大国である日本のこの自殺の多さは一体何なのだろう。 1年間に32,325人。 1日平均88人が自ら命を絶っていることになる。 経済大国であり、自殺大国でもある日本。 一方、ここフィリピンではどうか。 フィリピンでは、宗教的に自殺が認められておらず、人々の意識の中にも自殺志向が存在しない。世界で最も自殺者が少ない国の一つに入ると言われる。 フィリピンでは、人口の4〜5割が貧困層に属している。 貧困とは、「人間の基本的なニーズ(教育・仕事・食料・保健医療・飲料水・住居)を満足させるに足る十分な資源が不足している状態」をさす。単純計算で、約4000万の人々が貧困にあえいでいることになる。 そんな事実を知ってか知らずか、フィリピン人々は皆明るく幸せそうである。上述のような状況でも、以前見たことがある何かのアンケート結果で、「あなたは現在幸せですか?」という質問に国民の80%前後が“YES”と答えていた。これは世界でも希に見る数字とのこと。つまり、どんなに貧しくとも幸せなのだから、死ぬことなんて考えるわけがないのである。 日本で経済問題を理由に年間約8千もの人が自殺をするというのは、驚くべき数字である。フィリピンと比較すると、信じられない事実でもある。 経済格差では日本の方が遙かに上である。 日本の「モノの豊かさ」・「社会の便利さ」は世界に誇れる。けれど、なぜ自殺者がここまで多いのか。それは混沌たる社会の中に、「しあわせ」があまりないからであろう。少なくとも、現在の日本とフィリピンを比較すると、フィリピンの方が「豊か」に感じる時が多々ある。 昔、ある知り合いのフィリピン人からこんなことを言われたことがある。 「フィリピン人は世界で一番幸せな国民だけれど、日本人は世界で一番不幸だね」 もちろん日本の良い点だって沢山あるし、当然幸せな人々も沢山いるだろう。でも、国全体・国民全体と一括りにして考えると、この発言はあながち間違っていないのかもしれない。 “世界で一番不幸”は言い過ぎだろって反論したくなるけどね。 |