2006/11/17
衝撃のニュースが入ってきた。
京都の男性が狂犬病発症 比で感染、1970年以来
 厚生労働省は16日、京都市内の60代の男性が狂犬病を発症し、意識不明の重体になっていると発表した。男性は8月、フィリピンで犬に手をかまれて感染、11月1日に帰国後発症したという。国内での人の感染例は1954年を最後になく、海外で感染した日本人が帰国後発症したのは、1970年にネパールから帰った男性以来。
 厚労省は「人から人への感染は通常ない」とした上で、16日付で海外の流行地域に渡航する人への注意喚起を自治体などに通知した。
 厚労省によると、京都市の男性は9日から風邪のような症状を訴え、13日になって幻覚症状や、水や風を怖がる狂犬病の特徴的な症状が現れて入院した。国立感染症研究所の検査で、16日に狂犬病ウイルスが検出された。
 男性は8月末、フィリピンの「マニラから相当離れたいなか」で野良犬に手をかまれたという。フィリピンは狂犬病の流行地域の1つで2004年には248人が死亡している。
 感染後でもワクチンを接種すれば発症を抑えることができるが、男性は接種を受けなかったらしい。感染から発症までの潜伏期間は1−3カ月程度とされ、帰国時に自覚症状はなかったという。
日本は、昭和25年に「狂犬病予防法」が成立し、ここ数十年狂犬病による被害がない、国内から狂犬病は撲滅している世界的に珍しい国である。

でも、一歩海外に出れば狂犬病はかなり身近だ。
そして、狂犬病は致死率が100%の大変危険な感染症である。

フィリピンでは毎年狂犬病で3桁の人が亡くなっている。

協力隊に参加する前に行われる派遣前訓練では狂犬病の予防注射を3本打ち、「日本人は犬は可愛いペットだが、任国では犬は恐ろしい動物だと思うように頭を切り替え、安易に近づかないこと」と教育された。また、犬だけでなく、発症した猫や鼠でも咬まれても唾液からも人間に感染する。

また、その派遣前訓練中に狂犬病に関するシビアなビデオを見させられた。
一人の子供が狂犬病を発症してから死亡するまでの病状の変遷が映像に写されていた。狂犬病を発症に、狂ったようになり、息絶える瞬間までの衝撃的な映像は、未だに目に焼きついている。

犬に噛まれたら、24時間以内・3日後・7日後・14日後・28〜30日後ワクチンを接種しないといけない、そう何度も教え込まれた。狂犬病ウィルスには潜伏期間があるため、噛まれたらそれが普通の犬でも24時間以内にワクチンを打たなくてはいけない。24時間以内に打てなくて、狂犬病を発症してしまったら100%死亡するのだ。

フィリピンでの隊員時代、犬に噛まれてワクチンを打ったという人を3人知っている。地方の隊員は24時間に都市またはマニラに行かなくてはいけなかった。自分は2年間犬に噛まれるようなことはなかったのだが、あれだけ野良犬が街中にいると、いつどこで噛まれてもおかしくない状況だった。

今回、フィリピンで犬に噛まれた男性は、そういう危機感がなかったのだろう。
安全慣れしてしまった日本では考えられないことだから仕方ないにしても、この発症してしまった男性は間違いなく死亡するわけで、何とも言えぬ気持ちになってしまう。少しでもフィリピン渡航時に狂犬病に対する知識を持っていれば、発症することを防げたかもしれないのに...。

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| ニュース | 2006/11/17 12:30 PM | comments (11) | trackback (4) |
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