テレビ収録の惨劇
2006/02/04
テレビ番組の収録現場に殺到、74人死亡…フィリピン昼間の報道では死者は66人でした。 最新の情報では88名となっている。 今後、死者は増えるだろうと思われる。 これは、ABS-CBNの『Wowowee』という番組の1周年記念特別公開番組で、車や高額の賞金が当たる人気テレビ番組。今日は3万人もの観客が押し寄せていたようである。 何度か、オフィスで番組を見たことがある。 たまたま、今日用事があって、昼食後に友人の家に来ていた。 するとテレビでこのニュースが流れており、現場を中継していた。 フィリピンでは遺体の映像を普通に放映する。何体もの遺体が重なっている映像は、衝撃的だった。せめて、顔だけでも隠してもらいたい。そして、野次馬が本当に多い。 散乱する観客の遺留品 ゲートから前列を目指そうと大勢の人が流れ込んだという説もあるが、どうも観客のうちの誰かが「爆弾だ!」と叫びパニックになったという説もある。テロの危険性がいまだに残るフィリピン、そんな言葉を聞けばパニックになるのも当然だろう。 誰かが、ほんの一言 「爆弾だ!」 と叫んだけで、88人にも命が失われた。 冗談半分だったんだと思うが、言葉によるテロである。 フィリピン人に、賞金100万ペソ[*]という夢を与える番組『Wowowee』。 番組では会見で、「これは、フィリピン人、特に貧しいフィリピン人を助けるための番組である」と涙ながらに訴え、「私たちは、ただ、これらの人々を幸せにしたかっただけである」とも言っている。 何とも言えない気持ちになります。 そう言えば、先月、セブで行われたSinulog(シヌログ)の混雑もすごかった。一時は人込みにはまり、身動きがとれない状態にもなった。あの状況で、誰かが「爆弾だ!」と言ったら・・・考えただけでもゾッとする。 [*]フィリピンの平均月収を6,000ペソとすると、100万ペソというのは、約14年分の年収となる。日本の平均月収を30万円として換算すると、賞金は5,000万円という価値になる。 |