甲子園決勝観戦2
2006/08/22
球史に残る決勝戦の目撃者になった。
甲子園決勝戦観戦1の続き。 両エースによる投げ合い、9回の攻防では決着が付かず、第88回 全国高校野球選手権大会決勝、『駒大苫小牧(南北海道)vs早稲田実業(西東京)』は、ついに延長戦に突入した。 ついに延長戦が始まった この大会は打高投低の傾向があり、こんな投手戦は今大会初めてかもしれない。それだけ、早実・斎藤くん、駒苫・田中くんの実力が拮抗しているのだろう。打撃戦も面白いが、こんな緊迫した投手戦も面白い。 試合が再び動き始めたのが、11回表。 駒苫が1アウト満塁のチャンスを得る。ここで、スクイズを仕掛けるも、ワンバウンドの投球で空振り。そのまま3塁ランナーがアウトになり、チャンスは潰れた。この満塁も早実の敬遠による作戦である。ランナーは出るも、要所要所で両エースが踏ん張り、得点は与えなかった。 ふと、この試合はいつまで続くんだろうと思い始めた。 1998年の松坂要する横浜高校とPL学園の延長17回の死闘は誰もが記憶にあることだろう。そんな記憶もあり、間違いなく延長18回までは続くと思っていた。すると、延長13回が終わった頃に、「大会規定により延長戦は15回までとし同点の場合は引き分け再試合となります」というアナウンスが響いた。 大会規定により延長戦は15回までとし同点の場合は引き分け再試合となります テレビとかラジオで観戦しているわけではないから、解説がない。 延長がいつまで続くのか本当に分からなかった。後で調べてみると、2000年に延長18回制から延長15回制に制度改正がされていた。気付けば残り2回だけ。こうなったら、どんな方法でもいいから優勝を決めて欲しかった。 延長15回表。 斎藤くんは、ここに来て、146km/hや147km/hを連発する。 いったいこの高校生のどこにそんなパワーが秘められているのか。147km/hを出す度に、甲子園は揺れた。最後の4番も直球でしとめ、早実の負けはなくなった。 延長15回裏。 四球でランナーを背負うも、危なげないピッチングで3アウト。 まさかの延長15回引き分け、再試合。 この瞬間、5万人の観衆が大きな拍手を選手達に送った。 3時間37分間におよぶ延長15回引き分け、再試合。 試合終了、両校挨拶の後、校歌を聞くことはなかった 早実ナインが応援団に一礼、大喝采 まさか、再試合にあるとは... 決勝戦では37年ぶりの引き分け再試合とのこと。 本当に球史に残る大変貴重な試合を観戦できてよかった。 正直、勝負が決まり、優勝の瞬間と胴上げを見たい気持ちもないわけではないが、こんな試合二度と生で見られないかもしれない。 これを甲子園やテレビで観ていた多くの人が、両校同時優勝にしたらいいのにと、思ったはずだ。延長15回まで戦った翌日の最も暑い時間帯にまた9回プレーしないといけない。そして、連投に連投を重ねている両エースがまた投げることになるだろう...。ファンもそれを期待しているし、本人も将来のことを考えるよりは、このために頑張ってきたんだから投げるつもりだろう。 本当に本当にお疲れ様と言いたい。 感動的な素晴らしい試合をありがとうと言いたい。 明日また試合だが、それまではゆっくり休んでください。 再試合になるとは誰もが予想していなかったことだろう。 こんな面白い野球の試合を観ていた人なら、明日の再試合も観戦したくなるのは自然だろう。しかし、明日はお盆明けの月曜日。何度か明日も休んで観戦しようと考えたが、さすがにそれはできずに後ろ髪を引かれる思いで東京に戻った。 この夏の決勝戦、延長へ突入する。 |