生体認証カード
2006/09/04
たまには毛色が変わったエントリでも。
以前から大変興味があること、そのニュースを最近目にした。 それは、“生体認証”である。 生体認証とは、バイオメトリクスとも呼ばれ、人間の体の一部の情報を用いて行う個人認証技術である。 その生体認証がついに、銀行のキャッシュカードに本格導入されるらしい。 記事は、こちら。 生体認証キャッシュカード、大手銀行に導入広がる みずほも10月から開始 そもそも生体認証カードとは、現行の4桁の暗証番号で個人を認証するのは簡単すぎるし(電話番号とか生年月日にしている人が現実いるらしい・・・)、リスクも大きいことから考えられたモノ。銀行のキャッシュカードにICチップを埋め込み、指や手のひらの静脈の情報を登録し、確実に本人確認を行うためにつくられたカード。 生体認証と言っても色々ある。 つまり、人の体の器官は、個人を認証できる部分を沢山もっているのだ。 有名なのは指紋や手の平である。 その他、網膜(目の網膜の毛細血管)・虹彩(瞳の中)・音声・顔(輪郭?)・DNAなどもそうである。 実は、4年ほど前、当時所属していた担当で某金融機関への生体認証システムの提案プロジェクトに思いっきり携わったことがある。当時はまだ今ほど個人情報が騒がれてない時代で、どの金融機関もそれほど興味はなかったようだが、いつか近いうちに必要になるだろうと、提案書をゼロから数ヶ月掛けて作ったものだ。 銀行のキャッシュカードにICチップとして埋め込むには、容量や容易さから指紋が一般的になる。当時も、他の方法(手の平や虹彩など)をオプションにはしたが、やっぱりメインの提案は「指紋」だった。 しかし、当時は、生体認証はなかなか受け入れられない流れだった。 しかも、指紋である。 おそらく今でもそれには変わりはないだろうが、どうも日本人には「指紋」=「犯罪者が取られるモノ」というイメージが強いようだ。もちろん、犯罪者が指紋を採取されるのは海外でも普通にある話だが。 そんな先入観や時代を先取りし過ぎたこともあり、当時の企画はぽしゃってしまった...。 それが、フィリピンから帰国したら、生体認証ブームときたではないか。 今や個人PCや携帯電話にまで簡易指紋認証システムが導入され、4年前ほど「指紋を取ること」に抵抗がなくなったのか。でも、よくよく考えてみると、最高の個人情報を銀行側に預けていることになる。この指紋情報が漏洩なんかしたら、どんな犯罪に使われるか想像しただけで恐ろしい。 課題は、異なる金融機関の間での互換性だと思う。 暗証番号なら他の銀行でも郵便局でもコンビニでも金がおろせるが、この生体認証だと異なる認証方法を採用している銀行では使うことができない。 もう一つは、認識率も問題があるような気がするなぁ。登録した指が怪我したり、汗ばんでいたりすると、認識されずお金をおろすことできなくなる(だから、2本以上の指を登録するんだけど)。その技術的な問題は、数年後には完全に解決されているんだろう。 上の記事のある通り、みずほ銀行が導入を始めるようだ。 どうも無料でキャッシュカードの切り替えができるらしいので、申請しに行こうと思う。 この生体認証、個々によって賛否両論があると思う。 賛成/反対の意見を聞かせてください。 |