狂犬病
2006/11/18
昨日の狂犬病発症の続報。
● 『狂犬病発症の男性が死亡、国内では70年以来』 厚生労働省は17日、フィリピンで犬にかまれ、帰国後に狂犬病を発症した京都市の60代の男性が同日未明、入院先の京都市内の病院で死亡したと発表した。ニュースが流れた当日に既に切り替わっていたらしい。 亡くなった方は、本当に気の毒である。 無知であることがいかに恐ろしいか思い知らされた気がする。 ちょっとでも頭の片隅に狂犬病の知識があれば、フィリピンで犬に噛まれて放置することは考えられないはず...。 致死率100%の狂犬病は、実はもっとも恐ろしい病気なのではなかろうか。もちろん、エイズや癌にも特効薬はないが、少なくとも延命できたり、奇跡を信じて治す方法(抗がん剤の投与や放射線治療など)があるはずである。 しかし、狂犬病は、発症したら、来るべき死を待つしかない。 青年海外協力隊は、それぞれの任国に赴任する前に狂犬病について学ぶ。 だから、危険性も把握しているし、どう対処すればいいかも当然教育されている。 まず、訓練中(もしくは渡航直後)に狂犬病の予防接種をする。 狂犬病のワクチンは一定の期間をあけて3回接種しないといけない。 しかも、筋肉注射のため、これが痛い、激しく痛い。 痛い挙句に、副作用が出て腕が腫れたり、熱が出たりする人が続出した。当時は、この筋肉注射が嫌だったが、その後に見た映像で嫌とか言ってる場合じゃないと痛感する。 前のエントリにも書いたが、感染症講座の中で、狂犬病が大きく扱われる。 それは、最も危険な病気のうちの一つだからであろう。「致死率100%の狂犬病」と何度も繰り返され、一人の子供が狂犬病を発症してから死亡するまでの物凄い映像を見ることにある。もちろん、これは教材である。興奮状態で奇声を発したり、体中が麻痺したりし、水に対して異常な恐怖心を持つ。両手両足を病室のベッドで縛られ、最後は狂ったように暴れようとし、息を引き取る(←この瞬間までが教材)。 こんな映像を見させられては、誰もが恐怖心を抱く。 日本での死亡者は36年ぶりだが、海外では毎年5万5000人以上が狂犬病で亡くなっている。つまり、一部の例外国を除いて海外では犬、いや哺乳類にむやみに触れてはいけないってことなんだろうな。 余談だが、 友人のコータがタンザニアに現在派遣されているのだが、彼は家でアメリという名の犬を飼っている。どうも前任者の隊員から引き継いだらしい。アフリカでペットを飼うなんて危険極まりない行為だと思うが、ちゃんと犬のためのワクチンを購入し自分達で注射を打ったとのこと。すごい...! |