Alcoyへ出張
2005/07/05
今日は、日帰りでAlcoy(アルコイ)に出張。
Alcoyとはセブ島の南に位置し、野菜・Y隊員が活動するDalagueteの隣の町。 朝4時半起き。 5時過ぎに家を出る。 こんな時間にジプニーに乗ろうとするのは初めてで、もし捕まらなかったらタクシーでオフィスに行こうと思ったが、簡単に捕まった。しかも満員。皆、朝が早過ぎ。 5時半に到着したが、専用のバンが遅刻。 結局、6時過ぎにオフィスを出ることになった。 途中でスタッフを何人か拾い、ものすごいスピードでバンは南下し始めた。睡眠が不足していたので、移動中に寝たかったのだが、無謀追い越ししまくりの運転と荒い道のため何度も体が跳ね上がってしまう。このスリル満点の運転のおかげでセブシティから、2時間ちょっとでAlcoyに到着。 今回の目的は、「Community e-Center(CeC)」プロジェクトの一環。 小さいAlcoyの町にCommunity e-Centerを建て、そこにスポンサーである配属先とその親の機関(DOST)がPC・サーバ・プリンター等の機器を導入した。このプロジェクトについて、役場スタッフや現地の人を対象に概要を説明し、Community e-Centerを有効活用してもらうための指導を行うというもの。 質素な建物のCommunity e-Center 9時に開始。 お祈り、国歌斉唱、町長の挨拶が最初に行われる。 午前中は町役場のホールで、同僚と関係者がプロジェクトの概要を説明。 こんな田舎の町に、ICT(Information & Communication Technology)が導入されたらこんな素晴らしいことができる、という夢物語のような話が多かった気がするなぁ。何せ、出席者の4分の1がパソコンに触れたことがなく、半数近くがEメールを使ったことがないという。おいおい、こんな状態で大丈夫なのだろうか。 午後はCommunity e-Centerでワークショップ。 この時は、相当眠かった...。 今日は午後3時に終わり、夕方過ぎにはセブに戻ってきた。 昼食後にAlcoyにある高台から海を見下ろす。 遠くにうっすら見えるのはボホール島。 この「Community e-Center(CeC)」プロジェクトは、始まったばかり。 ビサヤ地域を中心とした、各島《セブ島・ボホール島・ネグロス島・レイテ島・パナイ島・ミンダナオ島》からそれぞれ2,3つのパイロット的な町が選出されている(どのように選ばれたかは分からないが)。でも、どうもこのプロジェクトのゴールが見えてこない。政府機関から予算が割り当てられ、百万ペソ単位の金が動いているのだが、フィリピンにとって今本当に必要なことなのか疑問を持ってしまう。こんなこと、何の力もない隊員が口出しできるような状況でもないしな。まぁ、今後も、それぞれの地へ出張することがありそうなので、機会があればついて行ってみよう。 |
コメント
うちの町でも「CEC作りませんか?作るならパソコンあげますよ。申込書かいてください。」っていう案内が来たよ。
多分おおもとは同じDOSTのプロジェクト。 もちろんCECがあったほうがいい。ないよりはね。 でも問題はCECを管理できる人が町にいない。 そしてCECを管理するお金がない。 町役場の予算をあてるにしても、水道や電気が通っていないところに住む人がまだたくさんいる中で、十分な保健医療を受けられない人がいる中で、 どれだけICTにプライオリティを置くかというのは疑問。 一時はICTが貧困削減に役立つともてはやされたけど、今はその見直しが始まっているよね。 もちろん使いようによっては役に立つこともある。でもやはり優先順位は低い。
| makoto | URL | | 2005/07/07 07:17 PM | z/plhp/s |
>makotoさん
それです。 NCC(National Computer Center)とDOSTが舵を取っているプロジェクト。 正直、このプロジェクトに足を突っ込んだばかりで詳細は分からないのだけれど、各町に必ずしもメリットがあるわけではないんだね。CECの管理(技術的な)は、このプロジェクトで育成していくはずだけれど、管理費についてはごもっとも...。 あれば役立つと思うけれど、Alcoyでは、数ヶ月後にはネットカフェになっているかもという笑えない想像をしちゃいました。 > どれだけICTにプライオリティを置くかというのは疑問。 これは、自分も常々感じています。 何かこの国では、順序立てというものができず、どうも先のステップの話ばかりしているような気がする。
| TK | URL | | 2005/07/08 12:09 AM | 7idhz71I |
町長も開発企画長も、
「これからはコンピューターの時代だ。だからCECは大切だ」 なんて言うけど、何で大切なのかとか、どう利用していくのかとか、 どれだけ管理が大変かとか、全然わかってないの。 結局、ICTは地方の年配(40−50代)の人にとって未知の存在ってことなんだよね。 順序立て・・・確かに出来ていない。 夢はでかい。けど自分達の技術や現状と夢のギャップがあまりにも大きすぎる。
| makoto | URL | | 2005/07/08 08:58 AM | z/plhp/s |
>makotoさん
地方なら、ICTは二の次でいいのではないかと思う。 その前にやること、金を掛けるべき事業があるでしょう。 あまり夢物語を描きすぎるのも良くないね。 先日、JICAから送られてきた「JOCV PHILIPPINES MAP」を同僚に見せたら、Mac*2の欄に“eLGU Project”と書かれてあるのに反応していました。ちゃんと、彼女はITのスペシャリストじゃないよと言ったのに、JOCVがいるなら当然アルカンタラはプロジェクトに参加してくれるものと勘違いし始めています。
| TK | URL | | 2005/07/08 01:53 PM | 7idhz71I |
多分、地方のICT促進に必要なのは、IT専門家よりも「物事を動かそうとする人」なんだろうね。
NCCやDOSTがどんなにいいプロジェクトやっても、役場側にそれを動かそうとする人がいないとダメ。で、その動かす人は、コンピューターのベイシックがわかっている程度でOK。技術的なことはNCCの技術者やSE隊員が助けてくれるから(実際パナイのサイコ隊員に助けてもらったの)。 ICTは発展や習得が目に見えやすいので、やってて楽しかったよ。特に村落開発普及員としての仕事は漠然としているからね。eLGUプロジェクトに関わったことで、職場における自分の場所も確保できたし。 eLGUに関して言えば、SE隊員と村落隊員が協力してできることもたくさんあったかも。
| makoto | URL | | 2005/07/10 01:04 PM | z/plhp/s |
>makotoさん
CeCはDOST本体のプロジェクトで、うちの配属先は最近関わるようになったんだよね。もっと初期段階から関わっていれば、そして自分が足を突っ込んでいれば、確かに協力できることが多々あったかもしれない...。 現場である役場の本来の姿を把握しきれていないところが、問題なのではなかろうか。
| TK | URL | | 2005/07/11 03:59 PM | 7idhz71I |
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