スラムドッグ$ミリオネア
2009/05/27
3度目のインド渡航より帰国した翌日、ついに観たかった映画を観た。
インドを舞台にした映画「スラムドッグ$ミリオネア」(Slumdog Millionaire)。 言わずもがな今年のアカデミー賞で作品賞・監督賞・歌曲賞・作曲賞・編集賞・録音賞・撮影賞・脚色賞の8部門を受賞した大作。 今年になってインドという国と関わるようになり、3度もインドに渡航した。そんな中で超話題となっていた「スラムドッグ$ミリオネア」が日本でも先月から公開された。インドからの帰国の翌日、収録に参加したクイズ番組の放送の翌々日、こんな自分にとってのタイムリーな映画を観ないわけがない。 インドのスラム街で育った孤児のジャマール(イルファン・カーン)は、世界的な人気番組「クイズ$ミリオネア」で、あと一問で全問正解という状況にいた。だが、無学の少年が答えられるはずないと、司会者には疑われ、賞金の支払いを渋るTV番組会社の差し金で警察に連行され、尋問を受けることになる。一体なぜ、ジャマールは100ドル札に印刷された大統領の名前や、ピストルの発明者を知り得たのか…? 警察の尋問、クイズが続く番組、そして彼の子供時代の記憶を行き来しながら、貧富の差が混在するインドを生き抜いた少年の人生を描く。「スラムドッグ$ミリオネア」。 つまり、“スラムの犬が億万長者になる”という話である。 ただし、貧しい人間がクイズに答えていき、億万長者になるというサクセスストーリーではない。そんな安直な映画ではなかった。インドの犯罪・貧困・宗教・児童虐待・闇社会・・・あらゆる影の部分が詰まりに詰まった社会性のある映画だった。 日本でもみのもんたの司会でお馴染みのクイズ・ミリオネアとBGMや進行、ファイナルアンサーまでが同じであるため、親近感を覚える。ただし、舞台がインドのため、ここまで描いていいのかというほどのダークな部分も多くある。日本人の中には、この映画を観て、目を背けたくなったり、嫌な思いを抱く人もいるかもしれない。 でも、これがインドの実情であることを示してくれる。 急速な経済発展(GDP成長率は中国に次いで世界2位の6.0%)の裏側の姿。 IT分野で急成長を遂げ、中級層が急激に増加していると言われているが、一方で多くの最貧困者を抱える国。いまだにカースト制度も残っており、貧富の差はとてつもなく激しい国(日本で格差社会なんて言っているのが幼く聞こえるほどだ)。 そういう事前知識をインドで身に付けた上で観たからこそ、バックグラウンドをそれなりに把握しているからこそ、のめり込んでしまった。ある意味、よくインド国内で問題にならなかったのかと疑問に思うほどリアル感があり、クイズ出題と回想シーンにスピード感があり、気付いたらスクリーンに釘付けにされていた。 正直、「おくりびと」よりも面白いと感じた。 2度目も映画館で観てもいいかなと思ったほどだ。 アカデミー賞8部門受賞は伊達じゃないなと思った。 この映画で訴えたいこと、それを感じ取れる素晴らしい映画だと思います。 そして、インドの持つパワーを少しでも受けることができるかもしれません。 ぜひ、上映期間中に観ることをお薦めします! 【関連エントリ】 ●インドのビザ取得 ●インド出張決定したが ●インド渡航延期 ●インド渡航確定 ●明日からインドへ ●初のインド上陸 ●インド滞在3日目 ●タージ・マハル観光へ ●デリー市街地へ ●インド滞在7日目 ●インド滞在9日目 ●インド滞在10日目 ●インド滞在を終えて ●週末から再びインドへ ●2度目のインド到着 ●2度目のインド滞在中 ●インドで誕生日を迎える ●インドより帰国 ●明日から激暑のインドへ ●3度目のインド到着 ●酷暑期のインド滞在中 ●インドの人口とインフル ●インド帰路でタイ待機中 ●3度目の訪印より帰国 |