2004年3月 | ||||||
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第54日目 3月1日(月) | ||||||||||||||||||||||||
今日から3月に突入である。 何と時が経つのが早いのだろうか。 夜の時間帯に行われた「日本文化研究」では、日本の伝統文化に接し、自国の文化を 理解することを目的とし、茶道・折り紙・伝承遊び・日本舞踊の4つの講座が実施さ れた。自分は、任国で一番役に立ちそうな「折り紙」を選択し、約2時間みっちり折 り紙の折り方を教わった。鶴・カブト・蛙などなど、ここでしか学べないようなこと をまた体験した気がする。 明日はプレゼンと保健テストが行われる。保健テストはこれまで受講した全ての講座 から出題され、成績の悪い場合は追試があるとのこと。でも、今日はプレゼンの準備 で長時間を要してしまったため、明日ギリギリで覚えるしかない。 その他に今週はレポート2つ、そして来週のプレゼン、ゼロ号報告書の提出と入所し てから最も多忙な週となりそうだ。夜までの空き時間が限られるため、睡眠時間を削 って取り組まなければならないのが何よりも辛い。 |
第55日目 3月2日(火) | ||||||||||||||||||||||||||
準備に相当の時間をかけたプレゼンも終わった。本当に何をプレゼンするかテーマの 選定段階から苦戦した。次は、「Final Presentaion」である。 その後、約1時間の自習時間を挟んで保健テストが行われた。1時間でできる限りの ことを頭に詰め込もうと集中した。一夜漬けならぬ、一時間付け。マラリア、AID S、狂犬病、性病、これまで打った注射の詳細等が出題された。まぁ、成績は良くな いまでも、合格点には達するかなと思う。 夕方は明日の「所外活動」にて、老人ホームで披露する歌とダンスの練習をした(ダ ンスと言っても大したモノではない)。『大きな栗の木の下』と『世界で一つだけの 花(Song by SMAP)』を何度も何度も練習した。あとは明日の本番を待つのみ。 |
第56日目 3月3日(水) | ||||||||||||||||||||||
今日は所外活動3回目、最終日である。 昨日まで何回も練習した歌と踊りを披露する日となった。 3回目ともなると、さすがに老人ホームに行くことに抵抗感がなくなっている。今日 は3月3日・「雛祭り」ということもあり、イベントが行われるとのことだった。 朝のベッドメイキングと清掃、昼の食事介護以外は2館の老人ホームを回り、合計7 回の公演を行った。『大きな栗の木の下』と『世界で一つだけの花』を踊り付きで歌 い、アンコールでは『ふるさと』をおじいちゃん・おばあちゃんと歌った。普段の所 外活動はジャージだが、今回ばっかりはビシっと決めようと、ちゃんと協力隊の制服 を着用した。 7回ずつ歌うとぐったり。それでも、手拍子をしてくれたり、一緒に歌ってくれたり、 しまいには感動して泣いてしまうおじいちゃん・おばあちゃんもおり、こっちも感動 してしまった。老人ホームでの単調な毎日の生活、こういった刺激を求めているのだ ろうと感じた。 このような機会がなければ、老人ホームでボランティアをするなんてことはなかった であろう。本当に貴重な体験をさせてもらったと思う。 また、大の大人が10名、こんなに一生懸命になって歌や踊りの練習するのも、やは りこの先ないだろうなぁと感じた。忘れていた何かを思い出させてくれた気がする。 |
第57日目 3月4日(木) | ||||||||||||||||||||||||
昨晩寝る時に、突然の腹痛それも激痛に襲われ、結局3:30まで痛くて痛くて 眠ることができなかった。今朝もあまり調子がよくない。一瞬、盲腸(虫垂炎) ではないかと心配したが、そうではないと思う。何が原因なんだろう。 午後の協力隊講座の一環として、座禅に参加した。場所を講堂から体育館に移し、 約30分間、心を無にして座禅を組むというもの。ただし、正座をするというわ けではなかったので、予想したよりは楽だった。また、木の棒で背中を叩かれる のも痛くはなく、むしろ気持ち良いくらいであった。 「座禅」なんて、そう経験できることではないので、行ってみてよかった。 夜は HomePage Builder 2001 を使ったホームページ作成講座の講師サポートとし て、自主講座に参加した。 |
第58日目 3月5日(金) | ||||||||||||||||||||||||
今日は素晴らしい、思い出に残る一日だった。 今日は自分の誕生日。 第1弾は午前中と昼休み。 授業中に語学Aクラスの面々が「Happy Birthday」を歌ってくれた。これだけでも嬉し かった。 昼食後、語学Aクラスに呼ばれたので教室に行ってみると、クラスメートと講師のJose が待機しており、クラッカーが鳴り響いた。教室にはケーキとプレゼントが用意されて おり、再び「Happy Birthday」を歌ってくれ、皆でケーキを食べた。その際に、皆から 英語で一言もらった。何か、これでお別れのような感動的な言葉をもらった。女性陣が 絵を描いたバースデーカードには、これまた自分には素晴らし過ぎるメッセージが書か れていた。 第2弾は消灯前。 うちの生活班には今日(3/5)が誕生日の人が自分以外にも一人いる。その2人の誕生日 パーティーを開催してくれた。ケーキにプレゼント、バースデーカードまであり、再び 感動してしまった。でも、プレゼントはTバックの下着だった...。ケーキを食べたり、 写真を撮ったりして消灯直前まで騒いでいた。 訓練中に誕生日を迎えられる候補生は本当に幸せだと思う。 生涯忘れ得ぬ誕生日となりました。 |
第59日目 3月6日(土) | ||||||||||||||||
2週連続となる平成15年度3次隊・二本松訓練所で2人目の退所者が出た。 本人としてはどうしようもない健康が理由での退所。つい2日前に派遣中止を言い渡 されたらしく、動揺が隠せなかった。あと3週間で訓練が終了するというのに...。 日本で生活するには全く支障がないのだが、発展途上国に派遣されるとなると問題が あるとのこと。このギリギリの時期に退所者が出るとは、驚きです。いつ、自分の身 に降りかかると思うとゾッとする。 今日は、午後から語学交流会が行われた。 各派遣国の方々がNTCに見えて、話す機会が設けられたのは非常に貴重である。 ただ、フィリピン人3人はとっても速くて、独特の発音があり、聞き取るのに苦労 した。任国に行って、慣れるまでは大変だろうなと実感した。 夜は生活班の一部の人で岳温泉に飲みに出掛けた。 |
第60日目 3月7日(日) | ||||||||||||||
今日は、語学(Aクラス)の語学講師・Joseの家でホームパーティーが開催された。 14:00に到着後、絶えず飲み食いをしていたと思う。タコスを4つ食べ、ビールを飲 み、ストロベリークレープを食べた。候補生や他の語学講師も現れ、一時は20名ほど に人数が膨れ上がった。手作りのタコスは本当に美味しかった。 夜は岳温泉に場所を移し、語学Aクラスの3人と、たまたま一緒になった候補生と門 限ギリギリまで2次会と称して飲んでいた。早くNTCに帰って、プレゼント準備と レポートを作成しなければいけないのに、それを承知で皆ずっと飲んでいた。 Joseの家にも行けたし、沢山の美味しいモノが食べられたし、酒も飲めたし、本当に 楽しい一日だった。 |
第61日目 3月8日(月) | ||||||||||||||||||||||
明日は、「Final Presentation」が行われる。 プレゼン時間は50分という、これまでの集大成。結果がある一定レベルに達さない と再試験(再プレゼン)となるため、しっかりと準備しなくてはならない。かなりの 時間を要して何とか形にできた。 明後日(水曜日)は「隊員報告書ゼロ号」の提出と、「総合テストA」の実施があり、 木曜日は「Final Vocabulary test」が迫っている。 派遣前訓練で最も忙しい週となった。 |
第62日目 3月9日(火) | ||||||||||||||||||||||
「Final Presentation」・・・何とか無事に終えることができた。 みっちり50分使うことができ、他の人からの質問にも答えて授業としては成り立っ ていたので、問題ないであろう。さすがに、入所から何回もプレゼンを繰り返せば、 慣れるもの。 そして、15:00から全く手を付けていなかった「隊員報告書ゼロ号」の作成に取りか かった。他の候補生は前々から計画立てている人もおり、ここまで無計画に何もしな かった自分を責めた。 「隊員報告書ゼロ号」は、派遣前訓練の総まとめとして、訓練中に学んだことやこれ からの隊員活動への心構えを整理することを目的とした報告書である。任国のならわ しや、協力隊への志望動機、活動における抱負・不安など、書くことが多い。結局、 22:00までかかってしまい、総数11ページの報告書を仕上げた。何とか〆切に期日 に間に合い安心。 あとは・・・明日の「総合テストA」の勉強。 ボーダーラインを目指して、できる時間までやろう。 |
第63日目 3月10日(水) | ||||||||||||||||||||||
朝一で「隊員報告書ゼロ号」を提出。 さすがに今日は朝から多くの候補生が疲れているようであった。皆、語学課業中は比 較的静かだった気がする。 午後は、「総合テストA」が行われた。昼休みの時間を使って、集中して頭に詰め込 んだ。このテストもある一定の点数に満たないと追試となってしまうため、何とかそ れをクリアしようとギリギリまで頑張ってみた。結果は・・・まぁ大丈夫だろう。 3月も中旬に差し掛かっている。 そろそろNTCの周りの雪解けも近いようだ。 |
第64日目 3月11日(木) | ||||||||||||||||||||||||
本日は2つの英語のテストが行われた。 「Final Vocabulary test」と「EPテストA」。 両方とも、“Not good, Not bad”だろうか。特に「EPテストA」は入所してすぐ に受けたクラス分けテストと全く同じ問題なので、一目でどのくらい語学力が向上 したかが分かる。早く結果が知りたい。 そして、夕食後に初めて平日にNTCの外に出てみた。と言っても、門限は19:20 のためにのんびりは過ごせず慌ただしかった。 明日はロードレース大会が行われる。 |
第65日目 3月12日(金) | ||||||||||||||||
今日は、平常課業(A/Cクラス)の後、ロードレース大会が行われた。 うちの班の男子で賭けを予定していたこともあり、かなり気合いが入っていた。この 寒さの中、半袖・ハーフパンツで参加したのだから...。 入念な準備体操の後、15:30にNTCをスタート。起伏が激しい5kmのコースである ことは事前に分かっていたが、最初の下りでいきなり飛ばしてしまう。一度勢いに乗 ると、スピードを緩めることが出来ず、辞めておけばおけばよかったのに先頭集団に 入った。この最初のペース配分のミスが後々に響き、折り返し(2.5km)の時点 で相当ヘバっていた。 ラスト700mはNTCまで上り坂。疲れがピークに達している上に、長い上り坂と とっても苦しい状況になり、とてつもなく減速。ゴール寸前は足が止まり始め、まる で歩いている速さと変わらなかったと思う。体力が落ちたなとつくづく感じた。 結果は18位。タイムは25分位。 結果にはちょっと不満はあるけど、真剣にできる限り頑張れたので満足かな。 |
第66日目 3月13日(土) | ||||||||||||||||||||
ついに、訓練終了まで2週間となった。 これからのカウントダウンはあっという間なんだろう...。 課業、語学自習終了後、岳温泉に飲みに下った。残された週末も今週を入れて2回 しかないため、外泊や飲み会などでほとんどの候補生がNTCを離れていたと思う。 皆、思い思いに週末を楽しんでいたことだろう。我々も語学クラスでJoseを交えて 飲んだ。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。 そうそう、再来週実施される特別行事(皇太子接見行事)は前日から東京に入り、 東京で1泊するらしい。どこに宿泊する等の情報は分からないが、久々の東京。 これはちょっとした旅行気分で楽しみだ。 |
第67日目 3月14日(日) | ||||||||||||||||||
昨日の酒のせいもあり、午後までずっと寝ていた。 班の何人かであだたら高原スキー場まで歩くことを計画し、14:00過ぎに出発した。 ロードレース大会の筋肉痛が未だにひかない状態だったら、NTCから寒い中歩く こと約1時間。観光客で賑わうスキー場に到着。久しぶりに観光地施設というか、 一般人がたくさんいる場所に来た気がして嬉しかった。それほど大きいスキー場で はなかったが、人はたくさんいた。そこのレストランで軽いつまみとビールを飲ん だ。昼間からであったが、1時間歩いた後のビールは旨かった。 帰りはバスに乗り、一度NTCまで戻り、すぐに岳温泉に飲みに下った。 最初は生活班の有志で飲み始め、21:00頃に場所を移しケニア飲みに合流。約20名 くらいで盛り上がった。当然、NTCに戻った後に何もする気もなく、すぐに寝て しまった。 |
第68日目 3月15日(月) | ||||||||||||||||||||||
『Final Language Presentation』が一週間後に迫っている。その準備にも取り掛から ないといけないと語学講師に言われた...。 今日の班ミーティングでは、訓練終了時における(自宅への)荷物の発送方法について の説明があった。まだあまり実感は湧かないが、本当に派遣前訓練終了が近づいてきて るんだなぁと人事のように感じるなぁ。。 |
第69日目 3月16日(火) | ||||||||||||||||||||||
今日で“69日目”。 あと10日となりました。 この69日間で本当に自分が進歩しているのか、このまま任国に行って大丈夫なのか、 それはそれはたくさんの不安がある。でも、英語が徐々に話せるようになり、早起き する事が習慣となり、大切な仲間ができ、最初の頃とは随分変わった気がする。 また、先週からテスト・レポート・プレゼンなどで忙しい中、皆が寝る時間を惜しん で一生懸命やっている候補生を見て、そこから学んだことも沢山あると思う。一時期 大変でも、頑張った時間は後になって充実した時間として必ず残るだろう。 残りもあと少し。生活班に語学クラス等NTCで出会った仲間と別れ、それぞれの任 国へ旅立つことを考えると寂しい気持ちになるけど、残りの訓練生活を含めて、充実 した時間だったと思えるように最後まで頑張ろうと思う。 明日は語学の集大成、「最終テスト」! |
第70日目 3月17日(水) | ||||||||||||||||||||||||||||
ついに「最終テスト」が終了した。 「Listening」section がボロボロだったものの、他はそれなりに出来たと思って いる。後は結果を待つのみ。 午後は「Final Language Presentation」の原稿書きを行い、夜は「ホームページ 作成」の自主講座に準講師として参加させてもらった。 ここ最近、星を見るために屋上に上がることがある。NTC付近から見える空には たくさんの星が輝いている。NTCの中でも比較的穴場スポットだろうため、とて も気に入っている場所だ。 |
第71日目 3月18日(木) | ||||||||||||||||||||||
今日は語学の課業はなし。 午前中の自習時間の後、特別行事オリエンテーションが体育館で行われた。 これは来週23日に行われる「皇太子殿下/同妃殿下ご接見」の説明とリハー サルである。前日の夜から東京に入れるということで、今からちょっとした 楽しみである。 リハーサルは真剣そのもの。並ぶ順番から、その他細かい留意事項を聞いた。 東宮御所内に入ること、そして皇太子と会うことができるというのは、普通に生 活していては、まず有り得ないこと。多分、一生を通してもこれっきりではない かと思う。 午後は、「青遺海の会(あおいうみのかい)」からのお話があった。 「青遺海」の“遺”の字が示す通り、これは現地で殉職した青年海外協力隊員を 子に持つ遺族らが集まった会である。交通事故、病気、犯罪など理由は様々。毎 年数人の隊員が亡くなっており、その命の大切さ、待っている家族の気持ちを候 補生に伝えるという講義であった。 青遺海の会・会長の息子は、協力隊の歴史では最悪の交通事故(6隊員死亡・4 隊員重傷)に巻き込まれケニアで亡くなったとのこと。第一報を聞いた時のこと、 アフリカまで辿り着くまでのこと、アフリカでの葬儀のこと、いかに息子が素晴 らしい仲間に囲まれていたかということ・・・などとても悲しい話だった。多くの候 補生がその講義に涙を流していた。 青遺海の会会員はこれ以上要らない、必ず2年後に生きて帰ってきてください、 という言葉が強く頭に残っている。 |
第72日目 3月19日(金) | ||||||||||||||||||||||
今日は「朝の集い」を訓練が始まって初めて外で行った。 外でやって欲しかったものの、いざやってみると本当に寒く凍えそうだった。 朝のランニングもアスファルトの上を1.5km走るのだが、所々で路面が凍結 しており、かなり危険な状態だった。でも、外を走るのは清々しく気持ちよい。 午後は2度目の体力測定。 1月16日の「体力測定@」と比べて、ど のくらい体力がアップしたかを図るというもの。約2ヶ月半、毎日続けたラジオ 体操とランニング、週2度ほどの野球やサッカーで身体を動かしてきて、どの程 度向上したか、本当に向上したのか自分では気付かなかった。しかし、6種目の うち立位体前屈以外の5種目で成績がアップし、自分でも驚いた。他の人も、ほ とんど皆の体力が上がっていた。恐るべし...。確かに、これまでの社会人生活か ら比べると、格段の運動量である。毎日運動を続けると、短期間でここまでアップ するものかと感じた。 明日の課業が終わると、訓練最後の週末となる。 最後の思い出作りのために、班で泊まりがけの小旅行を計画している。他の班も それぞれ出掛ける予定があるらしく、それぞれの最後の週末を過ごすんだなと思 った。 |
第73日目 3月20日(土) | ||||||||||||||||||||
今日は、語学(A・Cクラス)課業の最終日。 何と早いことか。このフレーズをこの訓練日記でも頻繁に書いているが、最近そ う思うことが多いのである。語学課業のスタートがついこの前のことにように感 じる。これで、あとは独学をしない限りは、現状の語学力で現地に向かうことに なる。とはいえ、渡航まで日数が少ない上に忙しくなるため、そんな語学に時間 は割けないだろう。今日が最終日ということは事前から分かってはいたけど、不 安がとても募ってきた。 Aクラスの3限のうち、最後の1限を我々のためにJoseからもらい、その時間で ささやかなお別れのイベントを行った。皆に配り合うアルバムを作ったり一人一 人に書いたメッセージを送ったりした。本当に楽しく快適だったAクラスの授業 が、これで終わりかと思うと寂しかった。語学講師のJoseはもちろん、クラスメ イトの5名にも感謝の気持ちでいっぱいである。 そして、今日・明日は派遣前訓練で最後の週末。 今日ばっかりは15:00より外出可能となるため、班の皆で猪苗代に向かった。16 名のうち15名が参加し、予約しておいたコテージで鍋・焼き肉を食べ、深夜ま で飲み明かした。門限を気にせず、思う存分飲めたのは久しぶりで、かなり愉快 だった。 |
第74日目 3月21日(日) | ||||||||||||||
昼前に猪苗代を出発し、途中の磐梯熱海温泉のとある旅館で日帰り入浴を した。その後、二本松に戻り、14:00から約3時間散策を行った。 二本松城跡や霞ヶ城公園などの二本松市内の観光スポットを回った。見知 らぬ地を散策するのは実に楽しい。 明日は「Final Language Presentation」が行われる。 10分間、原稿等も見ることなく、各々のテーマについてスピーチを行わな いといけない。日本語ですら、何も見ないで10分間のスピーチをするので すら大変だろうに、それが英語となると尚更。 これから深夜にかけて何度も練習する予定。 |
第75日目 3月22日(月) | ||||||||||||||||||||||
今日は最後の試練である「語学発表会(Final Language Presentation)」が 行われた。 持ち時間は10分。基本は原稿等は持たずにスピーチを行うというもの。語学 講師やスタッフが見守る中、“Touring”というトピックでスピーチを行った。 直前は緊張したものの、これまで多くのプレゼンをこなしてきていたので、最 中は落ち着いており、無事に終えることができた。 I think that it was done well. 午後は、オリエンテーション・班別ミーティングの後、2ヶ月半お世話になった 語学教室の清掃を行った。これまで多くの写真を壁に飾り、たくさんのお菓子を 並べていた教室が徐々になくなって奇麗になっていく姿を見て、ちょっぴり寂し くなった。 16:00からは明日の「特別行事」に向けて、前日から東京入りするためにNTCを 出発した。途中、2つのPAで休憩し、夕食はバスの中で弁当を食べ、宿泊先であ るJICAの施設(東京国際センター)に到着したのは21:00過ぎ。首都高では渋滞 に巻き込まれ実に5時間以上に及ぶ移動であった。バスの窓から見える池袋や新宿 の夜景が懐かしくてずっと眺めていた。 東京国際センターは訓練所と同じような場所だろうとイメージしていたが、実際は 各国のゲストを受け入れるための宿泊施設で普通のビジネスホテルと変わらない。 部屋にはユニットバスがあり、テレビまである!久しぶりのテレビに感動し、ちょう ど月9ドラマ「プライド」の最終回がやっていたので、ずっと見ていた。それにして も快適な場所である。 外出禁止と禁酒であることを除けば...。 明日はついに皇太子殿下とのご接見。そして、その後はまた5時間かけて二本松に とんぼ返り。 |
第76日目 3月23日(火) | ||||||||||||||||||||||||
小雨がぱらつく中、快適だった東京国際センターを出発した。朝に「めざましテレ ビ」が観られたことが小さな喜びであった。 朝の渋滞に巻き込まれ、ゆっくりペースで原宿・代々木を通過。迎賓館内になる「東 宮御所」に到着した。てっきり皇居の施設内と思っていたが、実際に向かったのは迎 賓館だった。 東宮御所でしばらく待機後、11:00前に「日月の間」に移動。 ちょっとした説明の後、皇太子殿下が登場した。登場と同時に部屋の空気が変わった 気がした。厳かな雰囲気となり、皇太子殿下のオーラを感じた瞬間であった。全隊員 候補生へのお言葉の後、派遣国別の紹介を行った。自分は3列目にいたが、会話の内 容を詳しく聞くことができなかった。しかし、皇太子殿下の優しい笑顔と、ゆったり とした口調が印象的であった。待ち時間は皇室御用達(?!)のジュースとクッキーを いただいた。 あっという間の1時間。この1時間のために前日から片道5時間かけてバスで東京ま で移動してきたのだ。雅子様はには公務休養中で今回は会うことができなかったが( けっこう雅子様に会えずにがっかりする人が多かった)、皇太子殿下と直接会えるな んていう自身の一生で前にも先にもないであろう貴重な体験ができた。 今夜から訓練所を離れるための荷造りをしないといけない。 |
第77日目 3月24日(水) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
ついにカウントダウンが始まった。 今日は一日中、入所当初と同じようなオリエンテーションの連続。このスケジュール を見るだけで、訓練の終わりが間近になっていることが分かる。 渡航の日の動きについて説明があった。フィリピン隊の渡航は4月5日(月)9:00と なるため、箱崎のT-CATに5:30に集合しないといけない。始発でも間に合わない時間 なので前日から乗り込むこととなった。各種オリエンテーションを聞いて、改めて時 間がないことを実感した。 そして今日は居室の荷物整理と片付け。今日のうちに自宅へ配送する荷物をまとめて 体育館に置いておかなければならず、77日間生活した部屋を約3時間かけて片付け た。生活感のあった部屋も、一気に殺風景になり、ちょっぴり寂しい気分。 明日は修了式と壮行会が行われる。 ついに終わりである...。 |
第78日目 3月25日(木) | ||||||||||||||||||||||||
午前中は整理整頓と清掃の時間に充てられた。 宿泊棟共有部分の清掃を中心に約1時間かけて掃除をした。汚かった談話室や廊下も 見違えるように奇麗になっていった。午前中いっぱいが掃除の時間であったが、かな り早く終了したので、残りの時間を使ってCD−Rアルバム作成をした。生活班の皆 に配るためのアルバムで皆がこれまでに撮ったデジカメの画像を集め、それを日付単 位にフォルダ分けし、1枚のCD−Rに納めた。実に1200枚もの写真があり、こ れをそれぞれの任国に持って行き、辛いこと等があったら見てNTCでの生活を思い 出してもらえたらと思う。 午後は1時間のリハーサルの後、「修了式」が行われた。 来賓の方や、多くの候補生のご家族がこの修了式と壮行会に参加されていた。 任国単位に修了証書が授与され、この時点で晴れて「候補生」から『隊員』となる。 この瞬間、ようやく、いよいよ青年海外協力隊員となった。何とも言えぬ感情がわい てきていた。隊員代表(コンピュータ技術のF君)の謝辞を聞いている時、これまで のNTCの訓練生活が走馬燈のように頭を過ぎり、本当に自分はこの訓練を乗り切っ たんだなぁと感慨深くなった。 続いて行われた「壮行会」は、訓練所で唯一酒が飲める時である。 隊員、スタッフ、語学講師、ご家族、本当に本当に多くの人が出席しており、盛大な パーティーが行われた。自分たちが隊員となった喜びもあり、全員の顔が喜びで溢れ ていたように思う。お世話になった語学講師にもお礼の言葉を言い、あっという間に 1時間半が経過した。 さらに、これも最初で最後である平日の外出が許可されている唯一の日。壮行会後、 ほろ酔い気分で岳温泉に繰り出し、再び居酒屋で飲み始めた。おそらく全隊員が岳温 泉まで行ったことだろう。これまで生活を共にしてきた5班の皆と飲める最後の機会 だった。 明日は訓練最終日...NTCを離れる日である。 |
第79日目 3月26日(金) | ||||||||||||||||||||||||||
派遣前訓練79日目。 ついに迎えて最終日。 それでも、朝の集いはキチンと実施され、いつもと変わらずラジオ体操・ランニン グを行った。最後の食事は「さよならバイキング」と名付けられた豪華朝食。沢山 の種類の食事が用意されており、好きなモノを好きなだけ取って食べた。本当にN TCの食事は美味しい。その食事もこれが最後と思うと寂しかった。 合意書締結の後、居室の最後の片付け。全ての荷物をスーツケースとPCバッグに 詰め込み、最後の行事である「解散式」に出席するため講堂に向かった。 約30分間の解散式。 これまでお世話になったスタッフ一人一人からお祝いと応援の言葉をもらった。聞く ところによると、次の16年度1次隊は4月中旬から訓練が開始されるらしい。スタ ッフは本当に大変だなと感じた。その後、スタッフからNTCを出所する隊員に対し て歌『フラワー(Kinki Kids)』が送られた。歌詞が今の我々に大変マッチしており、 昨日同様、訓練生活を回想しながら聞いていた。 僕らは愛の花咲かそうよ 苦しいことばっかりじゃないから こんなにがんばってる君がいる かなわない夢はないんだ 僕らの愛の花咲いたとき みんなで喜びをわかちあおう こんなにがんばってる僕もいる 一緒に夢をかなえよう =============================== 解散式の後、別れを惜しむかのようにエントランスやロータリーの前で集まり、写真 を撮ったり、2年後必ず元気で会おうと約束を交わした。特に3ヶ月間、家族のよう に共に訓練を送った生活班の人と別れるのは辛いモノがあった。多くの人が涙を流し ながら思い思いに別れの言葉を交わし合った。 臨時バスでNTC、そして岳温泉にさよならを告げ、郡山で昼食をとったり、しばら く郡山駅周辺で過ごした。そして、約3ヶ月振りに実家に帰宅。 家に戻ると不思議な気分である。 79日というと長い期間のような気がするが、実際は一瞬のように感じる。まだ、訓 練生活のことを整理できていない。これからゆっくり整理したいとも思うが、渡航の 準備がありそうもいかないんだろうな。 今言えることは、二本松青年海外協力隊訓練所での派遣前訓練、一生に一度しか味わ えないようか貴重な体験をした。そして、沢山の素晴らしい仲間と出会えた。 |